競艇のレースタイムを分析してみた

2020年1月18日2020年3月5日競艇, 統計

はじめに

競艇のレースタイムについて分析してみました。具体的には、競艇のレースタイムが何と依存するのかを調べてみました。

といっても、全変数との相関係数を取れば一目瞭然なのですが、今回の最終的な目的は各選手の強さのパラメータとしての選手別平均レースタイムを導くことにありまして、いくつかの変数にあたりをつけて解析していきます。

レースタイムと関係する数値として、思いつくものを列挙してみます。

• 選手の強さ（勝率）
• 体重
• 競艇場
• 天気、気温、水温、湿度、波、風
• モーター
• レースの着順
• チルト

上述した赤字の内容に関して解析してみます。

モーターの良し悪しや天候については、５年間ぐらいの平均を取るため、各選手の平均レースタイムとしての影響は微小である（選手間での比較においては平均的なバイアスとなるため寄与しない）として無視します。

各選手が良い悪いモーターを使用する経験や、各選手が経験する気温などの環境要因についての分布は、平均したら全員一緒ぐらの分布になるだろうという意味です。

※モーターの良し悪しに関して、整備力の高い選手はその節内で良いモーターに整備できるので、その意味で良いモーターを使っているかの分布は、選手毎に違いが出るかもしれません。しかしそれは、その選手固有の強さになるので、平均レースタイムが良い結果へと繋がることは何の問題もありません。

今回の記事は前回記事と内容が似ていますが、ご容赦ください。

データ

前回記事のデータと全く同じなので割愛します。

加えて、１８００ｍのレース距離であること、転覆艇がいないこと、を条件にしています。転覆艇がいるとレースタイムが意味のない数値になりますので。

分析

レースタイムと絶対に関係するのが、競艇場とレースの着順です。これはもう明らかすぎるので、以降の分析において必ず分けて考えます。今回は全競艇場のプロットを載せると多すぎるので、まずは桐生競艇場（競艇場コードが１番目という理由だけです）を基準として載せていきます。

レースタイムと着順と勝率

さて、それではまず選手の強さ（勝率）との相関から見ていきましょうか。

勝率の低い選手の平均ではややブレがありますが、B1以降の選手ではキレイに勝率の一次で比例していますね。

勝率に関してはある程度予想していましたが、着順別の直線に関して、ほぼ同じ傾きであるという事が分かったという点が非常に重要です。

競艇は先頭を走る艇が有利なのは勿論ご存知のこととは思いますが、その理由は艇の引き波が後続の艇に大きく影響するからです。周回を超えての引き波を無視すれば、１着は引き波の影響を受けず、２着目は１艇の引き波、３着目は２艇の引き波、…という具合で後続になればなるほど影響する引き波の本数は多いです。

その影響が、勝率に対して加算的に受けるのか指数的に受けるのかが判別つきませんでした。グラフでいうと、勝率が上がればあがるほど引き波を超える能力もうまくなり、例えば４着の緑の傾きは勝率に対してもっと大きく（グラフでいうとマイナス方向に）なる事もあったわけです。

ですが他の場でのグラフを見ても、各着順間でのレースタイムの差は勝率に依存せず一定のようです。

レースタイムと着順と体重

続いて、体重との関係がこちらです。

一次の相関で見た場合、体重が重いほどレースタイムが遅いという若干の相関が見られますが、この程度であれば私は無視することにします。

ちょっと面白かったのは、津・琵琶湖・徳山・芦屋・唐津は、ほとんどレースタイムが体重に依存していませんでした。何か場の設計や水質等と関係があるかもしれないですね。

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レースタイムと勝率と体重

最後ですが、体重と勝率の関係も調べてみました。勝率が高い選手は、体重が重くても関係なく早いのではないかという仮説です。

着順も絡めるとプロットがややこしくなるので、こちらは１着だけで抜き出しました。

誤差の大きさもありますが、勝率に対しての体重の重い軽いはほぼ相関がなさそうですね。

今更ですが、体重は選手固有の情報なので、選手別平均レースタイムを求める上では考慮しなくて良い情報でした。

まとめ

今回調べた内容を下記にまとめます。

こういった情報を元に、競艇場や着順に依存しない選手別平均レースタイムを求めて、モデル精度を向上していきたいと思います。